2012年7月5日木曜日

考えの整頓 佐藤雅彦

書評:「考えの整頓」 佐藤雅彦

著者は、ピタゴラスイッチの企画などで有名な大学の教授。はていったい何屋さんなのかと思うけど、クリエイティブ畑を耕している人であるという事だけは確か。

http://ja.wikipedia.org/wiki/佐藤雅彦 (メディアクリエーター)


佐藤雅彦氏の本に出会ったのはいつだったか忘れたけど、それは、こういう天才もいるのかという、イメージの転換や、発想や気づきの言葉やイメージを真っ直ぐに投げ与えてくれる驚きべき才能でした。出会いの発端は「毎月新聞」というちょっとふざけたタイトルとどう見てもユルい装丁に魅せられて買ったA4サイズの本で、それはとんでもなく面白いしろものだったからで。




 程なくして、彼があの「ポリンキー」、「ドンタコス」「だんご3兄弟」の生みの親だとしった。ところで、あれは「センス」なんやろか?センスというのはああ言うものを指すの?アレはただの子供向けのもので、大人にもすぐに理解できるという部分であり、センスという言葉を使うのはちょっと感覚的にはまりきらないと思うんですが。これは貶しではなく、逆です。もっと崇高な感じがします。

ところで本書ですが、「暮しの手帖」に連載されたもの(ほぼエッセイに近い)をまとめたものです。

感想は、意外と普通です。いや、嘘です。
すっごく面白いです



・・えーー、で、この本をよんででひとつ発見したことがあります。それは、自分は佐藤氏の文章が単純に好きなのだ、ということです。文章として読んだ時、疲れない。非常に読みやすい。言葉遣いは物書きのそれだし、そこに親しみやすさも兼ね備えている。もちろん頭のいい人でしょうけど、それだけじゃなく日本語としての美的感覚を持っている書き手の印象です。


こんなにもイメージの感覚に優れた人で、これだけ言語能力(論理)が発達していれば、想像ですけど、さぞかしいい人生ではなかろうかと思います。


もっといえば、この人のもっているイメージと言語能力は、しっかりとした物語性がそれを支えているんです。それはエッセイのなかで随所に見られます。だから短編集みたいなものでもあり、それらを追うことが、この本の醍醐味になっています。


このカタルシス、まさに作家の書き綴るそれです。


Ate logo!!

0 件のコメント: