2014年1月9日木曜日

炭水化物が人類を滅ぼす 夏井睦 (光文社新書)

いま、何かと話題の「糖質制限」の話。

別に、ダイエットを思い立ったわけではないのですけど、タイトルにひかれて、書店で購入。帰省のお供にした。近頃、家で本の読めない私が、新幹線の車中での読書ならば、読める。まあ、他にすることがないからですね。

糖質制限をするのは、口で言うだけなら非常にに簡単である。穀物と砂糖を制限するのである。糖質を多く含むいも類、人参やレンコンなど摂取を控える。果物も糖分を多く含むので危険視。お酒は、ビールと日本酒と、マッコリ禁止。呑んで良い酒の理想は赤ワインらしい。これは口で唱えるのは至極簡単であるが実行するとなると、ベジタリアンを実行するレベルで、かんなり難しい。バカにでも分かるのは「主食を食うな」とは、どう解釈しても日本人にコメを食べるなと言っているのである。加えて日本酒を飲むな、である。こんな意見は非国民によるテロ行為と言われかねない。

しかし、この本はダイエットの本かと思いきや、後半に差し掛かるとやたら難易度の高い話題になる。カロリーという概念やその算出法のいいかげんさ、世界における過剰な穀物生産の背景、動物(哺乳類)の食物摂取がいかに高度なものか、人類がどうやって炭水化物と出会ったのかにまで及ぶ。




日本糖尿病学会は、糖質制限について反対をしているが、なぜ反対をしているかも明らかにしている。



著者いわく人類が文明を得たのもある意味「炭水化物(糖質)を得ようという飢餓感のせい」と分析する。
定住生活を始めた動機も、小麦を栽培する必要に駆られたからだという。


ダイエットにさほど興味のない私も、この発想には新鮮な驚きを感じ、中盤の内容の難しさに一瞬とまどっとものの、3日ほどで読みきった。示唆に富んだ本である。

著者の夏井睦氏は、「傷はぜったい消毒するな」という本も書いておられるがこちらもベストセラーとなっている。ぜひ読んでみたい。書店には置いていなかったので、アマゾンで買うか。


・・・・・
炭水化物が人類を滅ぼす 糖質制限からみた生命の科学 」夏井睦

http://www.amazon.co.jp/dp/4334037666


先生のサイトも面白そうです

新しい創傷治療」
http://www.wound-treatment.jp/title_new.htm


下記 引用 ・・・・・・・・・

『なぜこのサイトで糖質制限を扱うかというと,以前にも書いたように単純に面白いからです。もうすぐ55歳のオッサンのメタボ腹部が見事に凹み,体重が簡単に数キロ落ちたという現実が面白いからです。

「面白い!」というのはあらゆる科学の原点・出発点です。そして・・・糖尿病とは何なのか,糖尿病の治療とはどうあるべきか,という物事の本質が見えてきて,それが医療全般に関連していくのがわかります。それが「面白い」のです。』



・・・なお、糖質を制限する食生活を試みている人たちは
己を「糖質セイゲニスト」と称すのだそうです。



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