2014年5月2日金曜日

前線兵士の逃亡 すき家閉店騒動

まだまだ記憶に新しい「すき家 閉店祭り」の話題である。

牛丼チェーン店としてはすき家の他に吉野家、松屋があり、あからさまな価格競争については、しばしば新聞の紙面をにぎわすほどだ。

牛丼競争に勝ち残るため、骨肉を削る苛烈な争いを繰り広げている三社である。


その中でも、メニューの斬新さなどで他社を突き放そうと頑張っているのはゼンショーグループのすき家。

しかし、先々月(2014年3月)、「すき家 閉店祭り」と称して、2ch掲示板、ツイッター上などで、現役アルバイトやパートが呼びかけを行い、一斉にすき家をやめる運動が活発化した。ストと言うよりはボイコットに近い(経営部に対する要求はなし。一種のサイレントクレーム)。この事件の直接の原因になったのは、同社が吉野家の新メニューに対抗して発売した「鍋定食」が発端とされている。

http://www.j-cast.com/2014/03/20199811.html




この事件については、グーグルなど検索サイトで「すきや 閉店祭り」や「すき家 人材不足」などでかければいろいろな記事が該当するので読んでもらえればいいが、すき家の店舗経営というのは基本「ワンオペ」というシステムで成り立っており、一人の店員が厨房とレジ接客をこなしながら店を回すシステムをとっているらしい。

しかも、より恐ろしいのは労働環境で、それはマネージャー(社員?契約社員?)に監視カメラなどで逐次チェックされるのだそうだ。こうなるともう奴隷労働にかなり近い。

すき家は実際、長年の劣悪な労働環境を、献身的バイトの忍耐と努力、あるいは根性によって、常にサー残(注:サービス残業のこと)を重ねるようなシフト労働でぎりぎり維持してきたような背景があったのだという。ところで深夜に店をアルバイトが一人で立ちまわるような店は、強盗に入られないのか??もちろん、狙い打ち。やっぱ入られました。でも、システムは何も変わらなかったようです。

で、「ワンオペ」という性質上、そのアルバイトが店に出なければ店には労働者は誰もいなくなる。なので、一斉にアルバイトがやめることで、店舗の一時閉店が相次いだと報道されました。もちろん、ゼンショーの広報では「設備点検」「厨房機器の故障」「リニューアルオープンのため改装中」などの理由をつけてやむを得ず閉店としたようですが、事実上人材不足による閉店とみて間違いなさそうです。


そしてなぜ「鍋定食」が閉店祭りを引き起こしたのかというと、鍋定食は、やたら手間のかかる調理を必要とするらしいのです。

おそらく普通の牛丼であれば、丼に牛丼を盛り付けるだけで、全ては事足ります。調理というよりもほとんど盛り付け行為であり、技術を必要としません。スピードさえあれば、なんとかできるかもしれません。でもずっとそういう形態でやってきたところにいきなり「調理」を必要とするレシピを持ってこられたら、混乱は必至です。しかも、洗い物、レジ、片付け、仕事は山のようにある。それを分担しないで一人でやれという。

これから、すき家のようなチェーンである程度、低価格な商品を出し、低コストで店を回すことを考えるのであれば、食券や食器の返却をセルフでするよう仕向けなければいけないと思います。また、24時間営業なんていうシステムをやめるべきだ。防犯という見方からも、行政が企業に指導を行わなくてはいけない。この国では労働者の安全はないということをすき家が示していて、それを国と警察が事実上放置しているわけです。どんだけ安全なんだ、日本という国は。ていうかもっと早くにやめても良かったのでは。


http://www.nikkansports.com/general/news/p-gn-tp0-20140429-1292701.html

参考になった記事のなかのごく一部
http://gualaola.blog.so-net.ne.jp/2014-03-22


・・なぜ、このようなことが起こったのかを、次回に考えてみます。

http://caourl.blogspot.jp/2014/05/blog-post_5.html (後編)

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