2014年5月18日日曜日

前線兵士の逃亡 すき家閉店騒動(終)

こんばんは。
またまたすき家の閉店の話題である。これ以上書くくと「しつこい」と言われかねないので、この件に関してはこれで最後の記事にしたい。


ごく最近の動きだが、すき家が多数の店舗の突然の閉店の理由を「パワーアップリニューアル」と題していたことについて、ネットやメディアでは「ホンマは人材不足じゃないの」とツッコミを入れていたのにゼンショーHDの小川賢太郎社長やっと重い腰を上げ、「元いたアルバイト店員が辞めたことに起因する、あるいは人員が集まらない閉店」であることを認めたという。

当初「人員不足」を隠していたのはもちろん世間に恥を晒したくなかったからだろうが、私にはその姿はどうも「敗戦」のことを「転進」と言い換えた旧大日本帝国軍の姿にかぶって見える。実情は店員に逃げられているのに、「お客様がより満足していただける店にする」などとついつい虚栄心で口走ってしまった臭がプンプン漂ってくる。


すき家が負った今回のキズはかなり深いと見ている。

ネットメディアの多くや、ブロガーの皆さまが既に指摘しているように、すき家がたどっているのは


牛丼戦争の過熱 → コスト削減→ 人員削減 → 労働環境の悪化(3K業務)
→ バイトの中で不満がつのり、やめる者が出てくる → さらなる環境の悪化 

の図式。




ここに新メニューの投入と、他の牛丼チェーンが消費税増税にともなって値上げしたところを逆に値下げしたことにより、従業員達の不満は限界に達し、ネットを通じて情報の共有が相互にはかられ、一気に離散が拡大する。

→ ネットですき家春の閉店祭り (今ここ)

これが騒動の流れである。

 すき家アルバイトにとってみれば、牛丼の値下げが出来るんだったら、なぜその分が自分に回ってこないのだろうかという「怒り」が閉店の原動力になっているだろうことは容易に想像できる。(ただでさえ、無理なシフトやタダ働きを強いられているのに

増税なのに、アルバイトの処遇はそのまま、牛丼の質やサービスはそのまま、で値下げに踏み切ったわけで。これは、もしかしたら、184店舗閉店で収まっている話ではないのかもしれない。
日本人はどれだけ我慢強いんだー!。

最近のインタビューで日本人は3Kを嫌がるようになったとゼンショーの社長は考えておられるようだが、もとから飲食業は人材難であることは以前よりわかっていることであり、ここで3kという言葉を出すということは「今までも、今も当然アルバイトに奴隷的な過酷労働をさせてきましたけど、それが何か?」という開き直りにしか映らない。これはまずい対応だ。

せめて閉店の原因を自分にあると認めるくらいのことは出来ないのだろうか。
まあ、責任を認めるってことは辞めるってことになるけど、ゼンショ社長は超ワンマンらしいから、上の方は誰も責任を取らないまま、ずるずると何も変わらないでこのまま行くことになりそうな気がする。失った信用は取り戻せない。

上が変わらないので、何も変わらない。
これは今回の騒動の後処理の救いようの無さをあらわしている気がする。

アルバイトを管理したり、新しいメニューを考案したり、店舗を拡大したり牛丼を安く売ることしか出来ないすき家。見れば労働の中で「」を育てるという発想は、完全に抜け落ちていると思う。そこに、ゼンショーHDの底無しの拝金主義が透けて見えてくる。


読んでいたネット記事の多くの著者様がたが指摘されているのは、たとえ時給を上げても兵士は戻ってこないだろうと。大きな岐路に立たされている、今のすき家の姿でした。



☆非常に参考になったBLOG
ありがとうございました。

しろぐらまー
http://shiro-glamour.hatenablog.com/entry/2014/03/24/215535

夕刊アメーバニュース
「3K発言」否定も冷たい反応 人材不足は「現代のストライキ」の声http://yukan-news.ameba.jp/20140517-154/


人手不足の正体を追え!
~どうしてすき家では時給を上げてもバイトが集まらないのか?


◆「すき家」の誤算【見えない付加価値】

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