Tさんからのメール

フルート奏者Oさんからの一斉メール

　こんにちは，Oです。
　最近、年下の若いヴァイオリン弾きでもある友人のTさんが、福島の放射能被害を憂えつつ、ウクライナを訪れて来られました。
　ウクライナの、医療関係などの専門家たちを取材して、貴重な情報を送ってくれました。
　ご関心をお持ちかどうかわかりませんが、とりあえずは、”一つの情報として”、お知らせします。また、この情報の重要性を感じられましたら、お知り合いの方々にもお知らせいただけたら有り難いです。　本人には了承を得てあります。　話し言葉でよりも、書き言葉で伝えていただいた方が、誤解を招かないかと思います。

　以下、コピーです
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（以下本文）

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Oさん、 こんにちは、T.I.です。ウクライナに放射能医学の取材に来てるので、簡単な報告をします。ご興味があればお読みください。

   こんにちは。今日でウクライナにおける一週間の取材は終了しました。色々な分野の専門家から情報を収集しました。自然科学の分野では、免疫、心臓病、脳細胞、遺伝子、食事療法等、放射能医学の専門家と話をしました。甲状腺を専門に扱う内分泌の専門家にも会いました。彼等は、研究者であり、チェルノブイリの事故以来人々の治療に直接関与してきた人達でもあります。中には医者もいます。そして、社会科学を研究する人々にも会いました。

ウクライナでは現在、チェルノブイリの事故後に発生した様々な心理学的な問題への対処が盛んに行われています。病理学的な研究や治療が進めば進むほど、心理学的な問題が浮上してきたのです。例えばストレスの問題。チェルノブイリ事故がもたらした最初の問題は、心理的なストレスと疲労でした。甲状腺癌が発症し始めたのは事故後３～４年目ですが、心理的な原因による病気や悪性な影響は、事故後すぐに発生しました。例えば、疲労と恐怖心による神経の乱れによって、タイピストがタイプする文字数が著しく低下したり、交通事故が増加したりしました。

また、精神的な負担は免疫力の低下にもつながり、様々な病気の発症率が増加しました。そして、免疫力の低下は、癌の発症をも促進させたのです。長年蓄積されたデータがこのことを裏付けています。例えば、放射能汚染が同等の二つの地域で、なぜか片方だけが高い発病率を示している。当初はその原因が不明でしたが、後に心理学的な分析が進むと、病理学的な要因以外のファクターが浮上したのです。詳細については後日報告書を作成します。 原子力規制委員会からも話を聞きました。今までの日本や韓国では、「事故は基本的に起こらない」ことが前提となって、原子力の安全基準が設けられてきました。だから、福島の事故が起きた後、人々の退避が遅れたのです。事故が起こる想定をしなければ、人々を避難させる制度も確立しないのですから。

ウクライナやEUでは、少なくとも「事故は起こりうる」という前提で原子力発電の安全基準が設けられています。そして、安全基準には人々の避難に関する具体策も含まれています。また、ウクライナの規制委員は、「安全基準はあくまでも基準であって、万が一災害が発生した場合には、被害の規模が基準値に達していなくても、人々をすぐに避難させる制度が整っている。」「災害の規模が基準値に達するのを待つなどという考え方は、私達にはない。」と明言しました。 ウクライナの専門家たちは、既に膨大な量の資料と情報を日本に送っています。それが人々の元に届かないのには、理由があります。今回、その理由もはっきりとしました。長崎大学の山下教授が、なぜ「放射能は安全だ」と断言できるのか、その理由も分かりました。このことについては、皆さんに直接お会いした時にお話しします。文章では誤解を招きかねないニュアンスもあるので。

チェルノブイリの事故後、半年も経たない内に、キエフには国立放射能医学研究所が設立し、全ソ連から２０００人以上の研究者と医者が導入されました。この機関を中心に、主にウクライナとベラルーシの人々約５００万人が検査を受け、その内の約１５０万人は１８歳未満の子供達でした。

人口密度が高い日本で現在国の検査を受けているのは、約４０万人です。この数の違いは何を意味するのでしょうか？今回、各分野を代表する１５人ほどの専門家に会い、数々の質問と疑問を投げかけました。全ての研究者に、彼らの研究の過去と現在、そして未来について聞きました。すると、返ってきた答えは同じでした。「経済的にも政治的にも困難な時代にチェルノブイリの事故は起きました。事故後、ソ連は崩壊し、多くの人が職を失いました。実際、お金も食べ物も、何もなかったんです。心理的な負担も高かった。そんな中、私達は人々の負担を軽減し、様々な病気の発病を少しでも抑制するために最大限努力しました。

私達は、日本の被災者のことを常に心配しています。同じ悲劇を体験した者として、フクシマは他人事ではないのです。私達にできることがあれば、何でもします。今は、被災者一人ひとりを定期的に観察し、少しでも異変が見られたらすぐに対処しなければなりません。どんなに些細なことでも、見過ごしてはいけません。安全基準の設定や事故処理も大事ですが、何よりも大切なのは、専門家たちが人々を見守り続けることなのです。」

 日本に帰ったら、チェルノブイリの信頼できるデータに基づいた、健康の手引書を作成する予定です。チェルノブイリの教訓を活かし、体力的にも精神的にも免疫力が低下傾向にある現在の日本人に合う本を発行します。食事療法や精神的なトレーニングの具体例を記した、実践的な健康の手引き書です。東洋医学の専門家にも助言をもらうつもりです。ウクライナでは、近年放射能被曝の治療に東洋医学が用いられています。

特に、免疫力の向上に関しては、東洋医学の右に出る物はないからです。手引書の売り上げはウクライナの研究機関に寄付します。何故なら、ウクライナでは、研究結果もあり、治療の実践方法もあり、高い技術もあるのに、年々国家予算が削減され、子供たちを治療するお金が不足しているからです。放射能の影響は、甲状腺癌だけではありません。甲状腺癌の次には肺癌、その次には白血病と、発病は今でも増加を続けているのです。ウクライナ人と日本人、それぞれ提供できる物をお互い提供しあう。そうして結ばれた絆は、両国の被災者の精神的な励みにもなると信じています。Tより

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おはようございます。
ヨーロッパから帰ってきました。ウクライナにおける調査の報告書は後日皆さんにお送りします。現在、健康の手引書の執筆を、遺伝学の専門家に依頼しています。食事療法や妊娠、転地療法等、様々な情報が送られて来る予定です。例えば、次のような情報は現在の日本で極めて重要だと考えます。

チェルノブイリ事故の後、多くの女性が流産をしました。また、障害をもって生まれた子供もいました。その一方で、健康体な子供も生まれました。遺伝学の研究データは、被曝後の生活環境の違いによって生じた差異をあらわしています。
流産をしたのは、主に、事故後に被曝して、その後汚染されていない地域に移住した女性達です。被曝によって体内の遺伝子は傷付きましたが、汚染されていない地域に移住する事によって体内の免疫システムが正常に作動し、障害を持った子供の誕生を避けるために、母親に流産させたのです。これに対して、被曝後も汚染地域に住み続けた母親の過半数は、障害をもった子供を産みました。被曝している状態では、免疫システムが誤作動を繰り返すのです。

流産が母親に与える悲しみと不安は底知れませんが、流産は「生まれてきた子供に辛い人生を歩ませない」という自然の法則によるものだと捉える事
ができます。そして、流産しても、その後に健康な子供が生まれてくる事も研究データは教えてくれます。

こういった情報は、人々の不安を取り除く要素となるのではないでしょうか。
被曝と心理の関係も重要です。疫学的な研究データによると、同等の被曝線量の人々の間では、放射能に関する正しい知識を持つ人と、そうでない人との間に、大きな差がでます。後者の方が発病率が高いのです。不安や恐怖心は慢性的なストレスとなり、免疫力を低下させ、様々な病気への抵抗力を弱めるのです。

食事療法の実践は、今の日本人に勇気を与えてくれるでしょう。なぜなら、日本には、抗酸化作用や抗がん作用を持つ食物が沢山あるからです。

他にも様々な情報を公開します。チェルノブイリ事故当時のウクライナ人と現在の日本人の間に存在する、免疫力の差や、遺伝子の強弱の差も考慮しなければいけません。
事実を受け入れ、現在を直視する事は、時に痛みを伴います。しかし、真実を知らずに恐れているばかりでは、自分を守ることも、自分の家族や友人を守るもできません。

手引書はインターネットで公開します。公開には２～３ヶ月かかります。しばらくお待ち下さい。

（ここまで。）

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このあたりの情報はたまにまわってきます。

なるべく信頼できるところから得られる情報を頼りましょう。